私はどうも病院という空間が苦手で、39℃以上の熱が出るか、骨が露出でもしない限り、病院にはいかないと決めている。
具合が悪くなった場合、なるべく市販の薬で対処するという生活を10年以上続けていく中で出会った、「これは効く」と自信をもって勧めることができる薬を紹介する。
ロキソニンS
頭頂部からつま先まで、心の痛み以外はすべて取り去る鎮痛薬の頂点。
発熱時の頭痛はもちろん、寝すぎたときの頭痛という、完全に自業自得の、本来戒めとして受け入れるべき痛みすら取り去ってくれる、タブレット状になって現代に転生したナイチンゲール。
摂取してから効くまでの時間は私の体感で30分ほど。
病院嫌いは、体調を崩した時、「とりあえず痛みをとって、あとはひたすら寝て自然治癒を待つ」という戦法をとる。このファイトスタイルの基礎となるのがロキソニンS。ボクシングでいうところのジャブ。麻雀でいうところのピンフなのだ。
いわゆる「風邪薬」は一切飲まない。理由は単純で、効き目を感じたことがないからだ。
ただ、あくまで鎮痛剤であり、痛みの原因を取り去るものではないということだけは留意しておかなければならない。環境破壊を止めるには、人類がいなくなるしかないのと同じように。(倒置法)
ナザール
鼻づまりを嘘みたいに解消する点鼻薬。
風邪をひいたときの最たる苦痛は「頭痛、のどの痛み、鼻づまり」だ。逆に言えば、この3つの症状を緩和できれば、人間は風邪をひいていることを忘れる。頭痛はロキソニン、鼻詰まりはナザール、のどの痛みはのど飴でごまかしていく。
Amazonでも購入できるが、薬局にいけば成分は同じで値段の安いジェネリック品が手に入るのでそちらがおすすめ。
使いすぎると効きが悪くなっていく点に注意。元気玉みたいに、ここぞというときに使う必殺技という認識でいるのがべスト。
フルコートf
あらゆる皮膚のトラブルを一晩で鎮める塗る救急車。
自決を考えるほど重度のいんきんたむしにかかった私を救ってくれた一品。
基本的に、「内側の苦痛はロキソニン、外側の苦痛はフルコート」と覚えておけば間違いない。
オロナインだのエムズケアだのといった、CMに踊らされた情報弱者が肌にぬりたくってプラシーボ効果によって満足するような軟弱な痒み止めとの一番の違いは、抗生物質が含まれていることだ。かゆみの原因である菌そのものをやっつけてくれる。
抗生物質が含まれる薬は病院でしか手に入らないという先入観を持つ人が多いが、それは内服薬に限った話で、塗り薬に関しては薬局で手に入る。
寝つきに支障が出るほどの痒みや、膿が出るほどの皮膚トラブルに見舞われた際にはとりあえずフルコートfを塗っておけばいい。
ちなみになぜ童貞の私がいんきんに感染したのか?聖母マリアの処女懐胎以来のミステリーに見舞われた私がネットでリサーチした結果直面した事実は「公衆トイレの便座からの感染」であった。おい若造、知らないおじさんから貰ったいんきんてのはな、キクぜ。
チョコラBB
ニキビや口内炎に効く薬というイメージがあるが、その真価は二日酔いの解消効果にある。
ようはビタミン剤なのだが、ビタミンBが肝臓をブーストさせてくれるため、アルコールの分解を助けてくれる。
お勧めは飲む前に摂取しておくことだ。悪酔いを回避できる。
学生時代、「お酒に強い男こそ真の男だ」などという、韓国のおじいちゃんみたいな思想にとらわれていたお酒に弱い私が、さも酒豪のような顔で飲み会に参加していたのはこのチョコラBBがバックについていたからなのであった。
エスタロンモカ
あたりまえだが眠気を吹き飛ばす最良の手段は「寝ること」だ。これに頼らざるをえない状況に陥らないように生きるのがベストだが、人間だもの。徹夜を強いられたサラリーマンや受験生が、コーヒーやレッドブルを経て最後に行きつく眠気覚まし。
カフェイン錠なのだが、コーヒー一杯に含まれるカフェインが60mgなのに対して、エスタロンモカ一錠あたりのカフェインは100mg。「錠剤でカフェインを摂取している」という独特の緊張感も相まってか面白いほど眠気が吹き飛ぶ。
個人差はあるだろうが、私の場合、頭がスカッとするというよりは、焦燥感でじっとしていられなくなるという感覚が近い。
若気の至りで芸人を志していたころ、夜通しネタ作りを行ったのちバイトに行かなければならないとき、常用していた。
もちろん体質的にカフェインがダメだという人は摂取してはいけない。
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