ベーシックインカムで実現する至高のホームレス生活

ベーシックインカムとは、平たくいえば国民全員に生活上必要最低限のお金を支給する制度なのだが、日本でも施行の是非が議論されている。

肝心の支給額に関しては、7万がいいとか、11万がいいとか言われている。

いくらにせよ、国民が労働意欲を失わない程度の額で、かつ、働かないとしても人として最低限の生活が送れる程度の額ではならないとされている。

ベーシックインカムは、資本主義国家に暮らす人々に「働かない」という新たな選択肢を与えることになる。

支給額が7万だと仮定して、「働かない」という選択肢にわき目も降らず飛びつくであろう自分ならどんな生活を送るか考えた。

目次

7万円の内訳

  • シャワー目当てのジム会費 1万円
  • スマホ代 5000円
  • 食費 55000円

以上。

天才数学者(詳細不明)曰く、宇宙を支配する究極の数式があるとすれば、それはシンプルで美しいものだという。

食費55,000円を31日で割ると、一日あたり1,774円。

低所得者にとって、この数字がどれだけ夢と希望に満ち溢れたものか。

毎日朝マック食べて(500円)

かつ丼食べて(500円)

カフェでコーヒー飲んで(300円)

おやつも食べて(100円)

貯金もできる(374円)額だ。

ちなみにジム代や携帯代を少し高めに見積もってあるのは増税を見越してのもの。

どのみち増税は死活問題であるため、その時は死に物狂いの抗議デモ実行を覚悟しなければならない。

これに加え、契約したジムと、労働者の血税によって運営される無料施設を、何も悪びれることなく駆使することによって野ざらしを防ぐ。そんな1日がこれ。

この生活によって、ホームレスでありながら海のように深い教養と山のように強靭な肉体を併せ持つ、文武両道ホームレスになることができる。まさに在野の傑物。天下統一を狙う将軍が迎えに来た場合の断り文句を考えておく必要がある。

なぜ家を借りないのか?

まずは住むところを確保だ!と3万円程度の風呂なしトイレ共同の激安ボロ賃貸を借りると地獄の生活が待っている。

上記の食費から家賃3万円、そこから一人暮らしの平均光熱費として1万円を引くと残り15,000円。

まだある。人間は住居を手に入れると欲が出る。

人間は住居を手に入れれば家具家電、しまいには観葉植物や昔の映画のポスターが欲しくなる。人は群れると馬鹿になるんじゃない。家に住むと馬鹿になるのだ。

そんなこんなで手元に残る食費が1万円。

家はあるが毎日モヤシ炒め生活と、ホームレスだが毎日かつ丼朝マック生活。

あなたはどちらを選ぶか?

どこで寝るのか?

ベーシックインカム施行によって、社会保障制度は撤廃され、あらゆるセーフティネットは役目を終える。

理論上ホームレスが存在しない社会で、ホームレスはどこで眠るのか?

駅や公園、初乗り140円を払って山手線でガチ眠という従来のテクニックは通用しなくなる。

ホームレスをする必要のない社会なのだから、ホームレスは制度タダ乗り、いわゆるフリーライダーと見なされ、世間の目はより厳しくなるからだ。

ただ私が前項で示したホームレスの優位性をみると、むしろホームレスは増加すると思われる。

おそらく、ベーシックインカムが施行された社会では、超格安寝床提供ビジネスが成り立つと予想する。

コロナの煽りで経営に行き詰った月極駐車場の経営者がそこに雨よけのサンルーフのみを据え付ける。

駐車場のマス目をもっと細かく、つまり成人サイズに引き直せば駐車場ならぬ駐人場が完成する。寝袋の持ち込みは自由だ。

細かい計算とか衛生面とか法律とか人権とかの問題はよくわからないが、これくらいみっちり寝かせて一人あたり月2000円くらい徴収すれば利益は出る。利用者にはマスク無料配布だ。

病気になったら潔く散る

ベーシックインカムの財源は、現在の社会保障財源を全額回して賄うので医療費が全額自己負担となる。

貯金がほとんどできないライフスタイルを送る以上仕方のないことだが、病気になったら死ぬ。

末期がんの痛みですら食費を削って購入したロキソニンで耐えなければならず、加えて睡眠環境も奴隷船さながら。

毎日のジム通いで多少の病気は跳ね返す頑強な肉体を手にする算段はついているものの、やはり不治の病や事故による負傷の恐れは拭えない。

もし死にそうになったら、最後の力を振り絞って市役所や警察署の前で倒れよう。

公務員だって人の子だ。目の前で死にゆく人間を見捨てれば社会のバッシングが怖い。救急車を呼んでくれるだろう。

何の病気で倒れているかもわからない人間を放置するのは衛生上問題がある。

病院で目が覚めたら、あとはもう「なんで見捨ててくれなかったんだ。金がないから医療費は払えない」の1点張りでよい。

あとは病院のベッドで潔く死を待つ。見るに堪えないほど苦しんでいれば、医者だって人の子だ。情けのモルヒネが期待できる

辛くなったら家に帰ろう

ベーシックインカム社会を生きるホームレスがもつ最大の利点は「いつでもホームレス生活から脱却できる」ことだ。

毎月振り込まれる7万円を握りしめて不動産屋にいけば、ベーシックインカム制度によって増えるであろう敷金礼金不要物件を紹介してくれるだろう。

個人的にはベーシックインカムはホームレスを増やすと予想するが、毎月7万円振り込まれるという安心感は、家に住みたいという欲求をより一層強めるのかもしれない。

言うなればホームシックインカムといったところだ。

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この記事を書いた人

雑記ブログです。食べもののことを中心にいろんなことを書いています。

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