一般市民に許される最高の快楽を最大限に楽しむ
筆者は昔スーパー銭湯で働いていた為、スタッフ特典により無料で毎日サウナを利用していた。
筆者がスタッフであることを知らない常連客からは「毎日朝からスパに通えるほどの金と時間を手に入れた若手起業家か何か」と思われていた程サウナに通い詰めた。実際は時給900円のフリーターなのに。
それほどサウナに病みつきになったのは、サウナを終えた後の「すべての状態異常が解除された感覚」に病みつきになってしまったからだ。
頭のモヤは晴れ、慢性鼻炎が嘘のように鼻が通り、全身に気が満ちて真冬でもシャツ一枚で歩いて帰れるような感覚。「快晴を擬人化した姿、それが俺だ」と勘違いしてしまう程の全能感に満たされる。一般市民が通常の生活で得られる最大級の快感の1つだと知ってしまったのだ。
サウナの楽しみ方は人それぞれだが、自分と同じように毎日サウナを利用している常連客を観察しているうちに、サウナ通たちが共通して行なっている行動がいくつかあることに気がついた。
それらの行動を実践、分析、体系化しながら自らのサウナ道に取り込み続けたことによって見事にバシャウマ流サウナ術の免許皆伝(自己申告制)に至った筆者が、サウナを限界まで楽しむ秘訣を紹介する。
サウナ⇨水風呂⇨白湯⇨水分補給のローテーションが基本
サウナを限界まで楽しむ鉄の掟。どれか1つでも省くとサウナの気持ちよさは激減してしまう。
「サウナがあまり好きではない」という人は、自分を感情が欠落したサイボーグだと疑う前にこのローテーションをしっかり行なっているかどうか確認してほしい。
サウナでカンカンに温まった身体を、キンキンに冷えた水風呂にブチ込み全身の血管を収縮させて脳を酸欠状態に陥らせることによって頭をぼーっとさせ、その多幸感を楽しむ。
満足したら白湯(ぬるま湯)に浸かり、手足の血管を拡張させ、その際に生じる心地よい痺れを楽しむ。長年の恐怖や不安から解放された時のような安心感が脳をドロドロに溶かしてくれる。
この時に、「白湯と身体の境目が曖昧になる」感覚を得ることができれば、サウナの基本をマスターしたと言える。
最後にしっかりと水分を補給して水分不足の状態を解除してからサウナに戻る。こうすれば1回目と同じかそれ以上の汗をかくことができる。
どうしても水風呂が苦手な人は?
心臓が弱かったり、水風呂に入ると歩けなくなるほどクラクラしてしまう人は水風呂の工程を「外気浴」に変更するといい。
露天風呂がある大型の銭湯に限られたテクニックなのだが、サウナから出たらそのまま露天風呂のある外に出て、普通に生活していては感じられないほどの「空気に包まれる心地よさ」を感じながらしばらく歩き、身体が十分に冷えたら白湯に移動しゆっくりと浸かる。こうすれば水風呂に浸かった時に近い快感を体験することができる。
サウナに入る前に身体を拭いておく
身体が濡れたままサウナに入ると、水分が身体をコーティングして熱気から不必要に守ってしまう為、汗が出始めるまでに時間がかかってしまう。サウナに入っても中々汗が出ないという人は大抵これが原因。また、汗と水滴の見分けがつかなくなり自分がどれだけ汗をかいたのか確認しづらくなる。サウナの醍醐味の1つである「皮膚から吹き出てくる汗を眺めながら悪いものが出ていくのを感じる」という楽しみをロスしてしまうのはあまりにももったいない。
タオルは頭に巻け!
サウナに入る際にタオルをどうするか?お尻が熱いからという幼稚園児みたいな理由で床に敷いているようでは初心者丸出し。両太ももにかけて股間を隠すのに使っている輩に関しては「今日がサウナ初めてなのかな?」と思われてしまう始末。ここはガテン系の肉食系男子のごとく頭に巻くのが正解。
理由は2つ。
毛髪へのダメージを防ぐ
サウナに入ると、体温上昇によって頭皮の血行が促進され頭が痒くなる。頭をかこうと髪の毛を触ると心地よさが一瞬で吹き飛ぶほど髪がパサパサになっていることに驚いた経験はないだろうか。濡らしてから十分に絞ったタオルを頭に巻くことでこういった現象を防ぐことができる。
サウナにより長く入っていられる
頭が温まってくると生命維持のため必要以上にサウナを暑く感じてしまう。頭にタオルを巻いて頭だけを熱から守ることによって、体だけを熱気に晒し、より長くサウナにいることができる。これで一度のサウナでより多くの汗をかくことができる。
サウナにより長く入っていられるようになることで得られるメリットはこれだけではない。
「他の客を見下すことができる」というメリットが実は一番気持ちいい。
特に男同士においては、「どれだけ長くサウナに入っていられるか」というのはオスとしての力量を測る上での重要なパロメーターの1つである。このタオルドーピングよって、「自分より後に入ってきた奴が自分より先に出ていく」という、男として最も気持ちいい瞬間の1つを経験することができれば、あなたのサウナへの愛はより深いものになるだろう。
そろそろ出ようと思ってからもう1分我慢
サウナと水風呂に共通するテクニック。限界を越えることができたという自己肯定感がサウナや水風呂によって得られる快楽に上乗せされる。小手先のテクニックと侮るなかれ、これが体温の上下による多幸感と脳内でぐちゃぐちゃにミックスされると相乗効果でサウナによって得られる「全能感」をより増幅させ、一次元上の快楽に昇華させる。
サウナいこうぜ!
最近巷では「サウナトリップ」という言葉が浸透してきている。
トリップという言葉は本来、違法薬物などによって得られる快楽を指すのに使われている言葉であり、それほどの快楽がサウナ道の奥に待っているということなのだ。
このサウナトリップ、筆者は元スーパー銭湯のスタッフであり無料でサウナ入り放題という立場であったため自力で開眼することに成功したが、普通に生活していく上でこの境地に至るのは難しい。サウナトリップに至るためには、この記事で紹介したようにまるで初代ポケモンのミュウ生成バグのように正確な手順を踏む必要があるからだ。
そんな貴重な知識を、人類救済の志を胸に紹介させてもらった。
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