奇跡の食べ物
「地球で最も美味しい食べ物は?」という問いに対して、「食の好みは人それぞれ」と返す人間は、間違いなくピザハットの特うまプルコギを食べたことがない。
そして、特うまプルコギを食べたことがない人は、直ちに自分の置かれた立場の危うさを認識したほうがいい。人生の半分どころか全部を損しているので、理論上「無」の状態になっているからだ。
不思議なことに、どんな味なのか聞かれるたびに頭が真っ白になる。この尋常じゃない美味さを形容できる言語が地球にはないため、脳がエラーを起こしているのではと、筆者は推測している。
無謀にも、この底知れない美味さを表す言葉を強いて選ぶとするなら「羯諦」だろう。読み方は分からないが、般若心経に出てくる怖い言葉だ。特うまプルコギを食べたことがないまま死んでいった人たちはいったいどうやって成仏したというのか。
「いくらなんでも3000円は高いのでは?」という心配は杞憂だ。人は、特うまプルコギを初めて口にしたその日から、日本円を特うまプルコギ引換券としか認識できなくなるからだ。
ZARDのCD以来ではないだろうか。ここまで人を勇気づけた円盤は。ピザハットは特うまプルコギを開発した時その日から、企業ではなく宗教団体となった。
許されるのなら、この部分に高いところから前宙返り1回捻り自由型で飛び込みたい。「特うま」という前代未聞の大風呂敷を広げたネーミングが、謙虚に思えるほど美味いからだ。筆者が名付けるとすれば、ただ一文字、「愛」と名付ける。
特うまプルコギの人知を超えた美味さがそうさせるのか、生地を持ち上げる際、自然と「失礼します」と口にしてしまう。人が本能的に持つ、大自然への敬意に通じるものがあるのだろう。
人はカニを食べると無口になるというが、特うまプルコギを食べている最中は呼吸を忘れる。人間の口は、もはや特うまプルコギを放り込むための穴でしかない。
特うまプルコギをコーラで流し込んだ後のゲップすら、ファミチキ一個分くらい美味い。
「食べ物は、食べれば食べるほど減っていく」というあたりまえの事実が、これほど悲しく感じられる食べ物が他にあるだろうか。
箱に染み込んだ大量のオイルは、軽自動車なら数メートル走れるのではないかと思うほどだが、カロリーのことを心配する必要はない。食べている間、天文学的な美味さの一端でも理解しようと脳が賢明に回転していたため、むしろカロリーを消費しているのだ。
コメント
コメント一覧 (1件)
バシャウマよ
ハンドトス生地を選んでいるようじゃ、特うまプルコギの本当の価値をお前は知らない。
アメリカでトップの宅配ピザチェーンであるピザハットの世界進出にあたって、全世界共通の要素がただ一つだけ存在する。
それはピザハットをピザハットたらしめるパンピザという生地の存在だ。日本では「ふっくら鉄鍋パンピザ」という名称で100円の追加料金で注文することが出来る。
以前は勿論無料であったが、日本ピザハットは最近とち狂っており、当該生地の有料化や貧弱な商品開発、公式サイトの改悪など経営における問題は枚挙にいとまがない。
なのでバシャウマがハンドトス生地を選択してしまった事実は日本ピザハットの経営判断に起因するものであり、貴様に責任は無い。
ただ、、、ただ、、、ピザハットを全米No.1ピザチェーンに押し上げた「パンピザ生地」と、かつての日本ピザハットが遺した栄光「特うまプルコギ」のコラボレーションを試してみてくれ。
頼んだぞ。